共働き夫婦が住宅購入で失敗しないためのポイントはあるのか。スタイルアクト代表の沖有人さんは「家の大きさよりも立地が重要だ。立地さえ良ければ、引っ越しが必要になったとしても、損をしないからだ」という――。
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失敗するには「マイホーム購入」は金額が大きすぎる

子供が産まれたら、家を買おうと思っている夫婦は多い。家族の人数で住む家の広さや間取りが変わるからだろう。しかし、その前提となっている家族構成が長期的に変わらないというのは確かとは言い難いかもしれない。思い込みで失敗するにはマイホーム購入は金額が大きすぎる。そこで、マイホームの転ばぬ先の杖を考えておきたい。

マンション価格は高くなった。その始まりはアベノミクスの金融緩和なので2013年に遡る。そこから60%以上値上がりしている。5000万円が8000万円になったのと同じだ。ここまで高くなると、共働き世帯でないと好立地のマンションは買えそうにない。子供がいない場合、DINKSになるが、子供が産まれるとDEWKSになる。ただし保育園に入れなかったりすると、ダブルインカムを諦めることになるかもしれない。そう考えると、マイホームにはいろんなリスクが潜んでいそうだ。

マンション価格は今後も高くなる

家族構成以外のリスクはほとんどが市場リスクになる。その中でもマンション価格がどうなるかの理解が不可欠だ。先ほど、マンション価格は高くなったと書いたが、今後も高くなることはほぼ決まっている。なぜなら、金融緩和されている間は価格が上がるだけだからだ。この政策は2023年の日銀総裁の任期まで続く。

金融緩和されると不動産を担保にお金を貸すことが増える。このため、不動産価格はこの政策下では常に上がってきた。2023年時点で資金融資された土地はその2年後に新築マンションとして供給される。このため、2025年まで新築マンション価格は上がることが必至だ。今回の金融緩和は異次元と言われるほどの水準で行っているので、手仕舞いはそう簡単ではない。2025年以降も不動産価格の下落はそう簡単には来ないと思ってもらっていい。

もう1つのリスクは、購入したマンション価格が値下がりするリスクだ。買った後に暴落したり、持っているだけで資産の目減りが大きいならば売って引っ越しすることができなくなる。そうなると、子供の学校や親の介護や離婚といった事態に対応するのが難しくなる。マイホームが負債となって人生や生活の足かせになってしまう。