忘れることができないほどの苦労
50年以上も前のことですが、今でも忘れることができないほどの苦労でした。でも、どうにか乗り越えることができ、自信がつきました。
その後、転職した別の病院でも、併設された看護学校で講師の仕事をしたり、いろいろな団体から講演を頼まれたりもしました。あの経験があったから、人前で話すことも慣れて、新しい仕事に挑戦できました。
「若いときの苦労は買ってでもせよ」と言いますが、人は苦労を乗り越えて、人間性が培われていくのだなと思います。私にとって苦労とは、人間性を作り上げる薬のようなもの。そう心がけるようになりました。
経験したことのない仕事の苦労、責任者としての苦労、介護や家庭と仕事の両立の苦労、人間関係の苦労、お金がない苦労など、今までたくさんの苦労に突き当たりました。
何にもなくてのんびり過ごしていた時期はほとんどなかったので、他の人よりも苦労が多い人生だったのかもしれません。
でも、いろいろな苦労があったからこそ、自分なりに考えて、解決しようと努力したことは、私を成長させてくれました。
いろいろな経験をさせてもらったので、年をとるにつれて何事も「どんとこい」という気持ちになってきました。今の職場でも、みんなが「困ったな」と言っていても、私は小さいことで動揺しなくなりました。そうクヨクヨせんと、解決できる知恵がついたような気がします。
経験してきたことが、肥料になっているんでしょうか。年いって、ゆったり構えることができるようになったのは、いいことですね。