※プレジデント編集部で全国の1000人を対象にアンケート調査を実施。消費者にとって身近な小売り・サービスの22部門において、いまもっとも好きなブランドを選んでもらいランキングした。回答者は男女各500人、20~60代の各200人。(2010年・雑誌掲載当時)
コンビニエンスストア(以下、コンビニ)各社では日々、POSデータなどを分析し、品揃え(マーチャンダイジング)の改善等を行い、定期的に新商品を投入するなど、顧客に飽きられることなく、継続的に来店を促す策を講じている。各社ともに経営努力しているのであれば、横並び的に顧客満足度を高めることができるはずだが、セブン-イレブン(以下セブン)だけ突出して消費者から支持されるのはなぜなのだろうか?
業界関係者によると、一般にコンビニにおける「強さ」をつくるには3つの条件があるというが、セブンはそのすべての条件を満たすだけでなく、質的な部分においても競合チェーンを凌駕している。各々の条件におけるセブンの強さを検証していこう。
1つ目は立地だ。1974年、東京都江東区豊洲の1号店開業以来、セブンの店舗開発担当者は、駅から住宅街に向かう「生活道路」上にあり、商圏人口、店前通行量などが多い場所――いわゆる一等地――にある酒販店・米穀店を訪問、セブンへの加盟を求めた。
小売業は立地が命だ。消費者がわざわざ行こうと思わなくても無意識のうちに通過する「生活動線」上に出店してきたことは、後々他チェーンの参入を阻んで二等立地への出店を余儀なくさせ、セブンの相対的な利便性を高めた。
このときセブン担当者は、消費者のライフスタイルが夜型になることを説いて回った。夜中に弁当やおにぎりを買うという消費者行動など想像できなかった70年代に、である。こうした努力が実り、1号店開業からわずか6年で1000店舗に達した。