⑥室内のベスト気温は16~24℃
睡眠の質の観点からは、外気温も重要だ。たとえば、外気温が30℃に上がると、睡眠の質は低下する。
寝る部屋の温度が18〜25℃に上がると、睡眠は30分少なくなると予想できる。つまり、ぐっすり眠りたいならば、静かで暗く涼しい環境が最も必要だ。
温度を程よい快適な涼しさ(16〜24℃)に保ち、そして部屋の換気に努めるべきだ。どんな雑音も耳栓か「ホワイトノイズ」で最小限に抑えたほうがいいだろう。
光は目覚めの時を知らせる感覚的合図だから、できる限り光を遮るのに役立つ重たいカーテンか、遮光カーテンか、アイマスクを利用しなさい(*8)。
最近、眠りの改善が証明されている、もう一つのヒントは子供の子守歌「ロッカバイ・ベイビー」にあるように、ゆらゆら揺れることだ(*9)。
⑦ベッドサイドに置くと空気がきれいになる植物
ベッドサイドテーブルに鉢植えを置いたらどうか? ベッドサイドテーブルの鉢植えはあなたの眠りを助長する。
特にある種の観葉植物は、風邪や胸苦しさを撃退し、また不眠症との戦いにも役に立つことがある(*10)。
たとえば、イングリッシュアイビー(セイヨウキヅタ)は空中のカビを捕らえ、ほんの数時間でほとんどを除去してくれる。
一方、アメリカ航空宇宙局によると、アロエは空気清浄に最適な植物の一つだという。アロエは、一晩中、酸素を放出すると同時にベンゼンやさまざまな洗剤やプラスチックの成分、多種のワニスや床材に見られるホルムアルデヒドのような大気汚染物質の吸収、分解を促進するからだ。
マダガスカルアレカヤシを見かけたら、大気汚染物質を吸収するという観点から、トップになった植物だと知っておいて損はない。それは、空気中に水蒸気を放出するため、潜在的に風邪や副鼻腔炎の人の呼吸を楽にする可能性もある(*11)。
室内の空気の悪さという問題とその取り組みの重要性は、大気汚染の悪影響によりヨーロッパだけで年間最低9万9千人が死亡しているという、控えめに見積もった提言によって、強調されている(*12)。
参考文献
(*1)Harvey (2003); Harvey and Payne (2002).
(*2)Huffington Post, 29 June 2015
(*3)Chang et al. (2015).
(*4)Park et al. (2019).
(*5)Guardian, 21 January 2019, “social jetlag are late nights and chaotic sleep patterns making you ill?”
(*6)Basner et al. (2014); World Health Organization (2011).
(*7)Haghayegh et al. (2019).
(*8)Chellappa et al. (2011); Czeisler et al. (1986); Lockley et al. (2006).
(*9)Perrault et al. (2019).
(*10)少なくともそれは、『エル・デコ』誌(デジタル版)とJoy of Plants社からのレポートに示唆されている。ちなみにこのレポートは『The Plantsman』園芸ジャーナルに発表された、NASAと米国アレルギー喘息免疫学会からの基礎研究に基づいている。
(*11)Wolverton et al. (1989).
(*12)Holgate (2017).