歴史的名車たちに並ぶ、高い評価
発売から時間が経っているにもかかわらず、世界的に評価の高さは変わらない。発売時は日本カーオブザイヤー、ワールドカーオブザイヤーなどの賞を総なめにしたが、現在でもイギリスの自動車情報サイト「Carbuyer」のベストスポーツカーに3年連続で選出されたり、ドイツの自動車専門誌『Auto Motor und Sport』でも4年連続でカテゴリー1位を獲得したりしている。
また昨年ディスカバリーチャンネルで自動車関連番組の出演者を集めてベストスポーツカーを選ぶという特別番組があり、ロードスターはベスト5の1台に選ばれた。
ベスト5といっても、他の4台はポルシェ911、ジャガーEタイプ(1960年代)、メルセデスベンツ300SL(1950年代)、アルファロメオ 6C 1750(1930年代)という歴史的名車ばかりで、現在でも生産中の車はロードスターとポルシェ911のみだ。ロードスターはポルシェ911と並ぶスポーツカーとして評価されているわけだ。
『CAR GRAPHIC』誌の創刊60周年企画の「偉大なるスポーツカー・ベスト60」でも、ロードスターはポルシェ911に次ぐ2位に選出されている。
ポルシェをも超える「日本の宝」
私自身、15年にわたって親しんだポルシェからロードスターに乗り換えて5年が経過したが、飽きないどころかますます愛着が深まり、乗るたびに楽しさ・爽快感を味わって離れがたいものとなっている。もうポルシェに戻る気はまったくない。
マツダは他のスポーツカーのトレンドには目もくれず、ロードスターとしての存在意義を30年以上にわたってぶれることなく少しずつ磨き上げていくことで現在の孤高のポジションを獲得している。
マツダにはできるだけ長く、ピュアな形で(なるべくならEV化やハイブリッド化をすることなく)このクルマを作り続けていってもらいたい。この車は本当に日本の宝だと思う。