15年間で2000人に伝授してきた就活の「3本柱&ギャップ理論」とは

もうかれこれ15年近く就職活動の指導をしています。主に自分の出身大学の学生に向けてやってきましたが、近年は他大学から頼まれて出向くことも増えました。始めた当初からずっとメモを取っていて、関わってきた学生さんは総数で2000人程度。これは講義形式、あるいはワークショップの参加人数を足し上げたものですが、だいたい講義を春夏に行い、就職準備シーズンの年末から年明けにかけてOB訪問が始まります。これが、正直大変です。

勝浦雅彦『「伝わらない」は当たり前 つながるための言葉』(光文社新書)
『つながるための言葉 「伝わらない」は当たり前』(光文社)

まず、人数がむちゃくちゃ多い。だいたい3カ月の間に50人程度、OB訪問の依頼が来ます。一応、会社員なので先着順に対応していきますが、とても回りません。後輩にお願いして振るにも限度があります。そこで、5年前くらいから、自分の指導方針をフレーム化し再現性を高めて、なるべく多くの学生さんに伝えることにしました。

私がつくったフレームは、「3本柱&ギャップ理論」といいます。

パッと聞いた印象はすごくダサいですよね。私だって最初は(仮)とつけて使っていました。しかし、だんだん耳慣れてきたので正式名称にしました。みなさんも、千回くらい音読したらきっと慣れるはずなのでやってみてください。バンド名やお笑いコンビの名前とおんなじで、最初はおかしな名称に感じても魅力と有用性があれば良い響きになっていくものです。

さて、フレームを説明する前に、そもそも就活とは何か? という私の考えをお話しします。

1 就活を端的に言い表すと

就活は、

Aである自分が(自己PR)
Bである会社に(企業研究・OB訪問)
Cという理由で入りたい(志望動機・ビジネス企画)

というこのABC3点を、相対評価で伝えて理解させ選んでもらう戦いである、と私は定義しています。

さらに、時間軸という概念を付け加えれば、

Aである自分が(自己PR)→過去
Bである会社に(企業研究・OB訪問)→現在
Cという理由で入りたい(志望動機・ビジネス企画)→未来

という図式が成り立ちます。つまり、

「過去の自分が何をしてきたかを伝え、現在の自分がなぜその企業を目指すのかを明確にし、その企業で未来に何をしたいのか」

を伝えればいいのです。