アドバイスしたければ「悩んでるところある?」と聞く

聞いていて、より良くなるのではないかと思い、どうしてもアドバイスをしたくなったらどうすればいいでしょうか。おすすめは、「悩んでいるところある?」と聞いてみて、そのポイントについて、「自分は、○○というふうに受け取ったよ」と、自分がどう感じたかを最初の読者として伝えることです。「あなたは○○すべきだと思うんだよね」、ではありません。

例えば、「私は、他のサービスとあまり違いを感じなかったんだよね」というように話してあげると、それは相手の作品や人格に対して直接否定するわけではないので、相手も素直にネガティブな言葉を受け取りやすくなります。

向かい合ってミーティングをしている二人の人物
写真=iStock.com/Pattanaphong Khuankaew
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アドバイスしてくる人は「役に立ちたい」と考えている

また、もし周りの人がそう言ってくれないような場だったら、「私さ、いまモチベーション上げたいんだ。良いところ探して教えてくれない?」と直接話してしまうのも手です。人がアドバイスをしたり、否定したりするとき、実は、ちゃんと役に立たないといけないのではないか、という善意からの行動であることが多いのです。自分がどんな反応を求めているのか、を明確にすれば、ほとんどの人はその通りに応じてくれるでしょう。

デザインの世界では、アイデアがまだふわふわしている初期には温かく受け入れ、可能性を探すことが大事だと言われます。デザインコンサルタント会社IDEOの共同創業者の一人ビル・モーグリッジが病床に臥している際、誰かがお見舞いに行くと、殺風景な景色の病室にいましたが、「あの建物の煙突は本当に美しい」というように、とにかく良いところを見つける名人だったということです。どんなにつまらないように見えるアイデアでも、ひとつだけでも面白いところを見つける訓練をしてみてください。