自信をつけるのに必要なのは「聞き上手」な人

僕はすでに本を3冊書いていて、自分の作品を外に出すことに少しは慣れました。それでも、新作の企画を誰かに見せるときはとても勇気が要ります。自分が考えていることって、それが絶対的にいいのか、悪いのかなんてそもそもわかりません。実際に見せてみると、半分くらいが無反応(よくわからない)、3割くらいはより良い改善の提案をくれる、「いいね!」とほめてくれるのは2割くらいの人でしょう。

また、必ずしも全員が良いと言ってくれるものが良いとはかぎりません。実際、世の中で見ると、「新しいもの」を見せると、新しいものほど半分くらいの人が反対します。しかも強烈に。でもその代わり、熱烈に好きと言ってくれる人も現れます。

だからこそ、新しい作品の企画を見せるときには、「最初に誰に見せるか」ということがとっても重要です。僕が以前働いていたソニーでは、

「新しい企画については上司には絶対に見せるな(きっと、学生なら担任の先生かもしれません)。むしろ、新しいものを必ず面白がってくれる知り合い2人くらいに見せたほうがいい。そこでもらった反応を参考に企画をブラッシュアップすると、そのころには自分も自信がついているから、批判や改善提案をもらっても余裕をもって受け入れられる」

と教えられたものです。

この1人目、2人目は、自分と相性が良い「企画の壁打ちの相手」をつくっておくと良いです。この受け手にはどのように語ればいいでしょうか。

アイデアを打ち明けられたら「面白いね!」で返す

たとえば、こんなふうに話しかけてみたらどうでしょうか。

「僕はいまこういう企画を考えている。まだ初期のアイデアなのでラフなんだけれど、どのあたりが可能性があると思う?」と聞いてみます。

もし、あなたが逆に、誰かから企画のアイデアを恐る恐る打ち明けられたら、「うん、面白いねー。このあたりが面白いよ。で、ここはどうなってるの?」というように返してあげると、きっとその会話は、新しいものを育てる会話になるでしょう。

僕の友人で、他の人に話を聞いてとりあえず「面白いね!」「いいじゃん!」「それはいいポイントだね!」と連発する人がいます。実は、よくよく話を聞いてみると、本人がよくわからないなと思ったときには、とりあえず相槌の代わりに使っているということなのですが、口グセとして「面白いね!」という言葉を使うようにすると、相手はあなたに喜んで面白い企画を話してくれるようになるでしょう。