給料が増えないまま電気代、食料品が上がっていく
次に、国内の物価はかなりのペースで上昇する恐れがある。世界的な供給制約や異常気象の影響から国内ではパンやパスタなどの小麦製品、マグロなどの魚介類、電力料金、木材などの価格が上昇している。3月以降はティッシュペーパーなどの紙製品の価格も引き上げられる。ウクライナ問題によるエネルギー資源や穀物の価格上昇によって、わが国の物価上昇ペースは一段と高まるだろう。
わが国で景気減速と物価上昇が同時に進行する恐れは高まっている。その結果として、国内の企業業績は悪化し、給料が上がらない展開も想定される。わたしたちの生活にとって、給料が上がらない一方で物価が上昇するというのは、最悪のパターンだ。
食料品やエネルギー、電力料金が上昇する中で、これまでの収入と支出のバランスを見直し生活の防衛を余儀なくされる家計は増えるだろう。世界的にみてわが国経済のコロナ禍からの回復は遅れている。それに上乗せするようにしてウクライナ問題が深刻化したことによって、わが国経済はかなり厳しい状況に直面する恐れが高まっている。