独自のAIと豊富なコンテンツできめ細かなレコメンドを実現

スマートニュースの最大の強みはAIだ。スマートニュースで表示される情報は、提携する3000以上の媒体から入手している。大手ニュースアプリでも提携媒体は500~1100程度と言われているから、スマートニュースはその3倍以上の媒体から情報の提供を受けていることになる。その豊富な情報から、独自のAI(アルゴリズム)でユーザー個々人に最適な情報を選択して表示する。

「スポーツが好きな人に有名なスポーツ雑誌の記事を表示するだけではダメ。個人の趣味嗜好はもっと深いからです。AIと豊富な情報源を組み合わせることで、そのユーザーにビビっと刺さるコンテンツを出すことができます。例えば、スポーツの中で野球が好き、パリーグが好きで、日本ハムのファンで、二軍にお気に入りの選手がいるというユーザーがいたら、日本ハムの二軍の選手の情報を持っている媒体の情報を表示するという具合に、ユーザーの嗜好にきめ細やかに対応しているのです」という。

新しいジャンルとの出合いも

スマートニュースの強みは独自のレコメンデーションにある。AIによる“発見”を促すアルゴリズム「パーソナライズドディスカバリー」だ。

「ニュースアプリで自分が見たことがある記事や似たような記事ばかり表示されると、ただのレコメンデーションになって飽きてしまう上に、情報が偏ってしまいます。そこで、スマートニュースではAIが『こういうものも見てみませんか』『世の中の人はこういうのも見ていますよ』などと情報の発見体験をどんどん投げかけているのです」

例えば、ロックミュージックが好きな人はロック関連の情報をよく見るものだ。しかし同じような情報ばかりを表示していても飽きられてしまう。そこでAIは別のジャンルの音楽、例えばクロスオーバーな現代ジャズに関するニュースを表示する。もしユーザーがその記事を読んだら、AIが別の現代ジャズのニュースを表示するといった具合に世界を広げていけるというわけだ。

前述したアメリカ版の「News From All Sides」も多様な意見や価値観に触れ得る機会をもたらす機能の1つだ。

これらの機能がハマって、ユーザーを熱狂させるアプリに仕上がっており、日米とも使用時間が長くなる傾向にあるという。松本さんは「1日使ってもらえば、その人に合った情報をどんどん表示するようになる。ほかにはないような体験ができるはずだ」と自信を見せる。