新型コロナウイルスの感染予防にはどんな対策が有効なのか。大阪府立大学の山崎伸二教授は「紅茶には感染予防効果があると考えられる。日常的に『ちょこちょこ飲み』を続けることで、手軽で安価な対策になるはずだ」という――。
フルーツティーを飲みながら家でリラックスしている若いアジアの女性
写真=iStock.com/K-Angle
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新型コロナに求められるのは「手軽で安価な対策」

新型コロナウイルスの世界的流行からはや2年が経ちました。日本でも感染拡大の波が幾度も押し寄せ、私たちの生活は一変させられました。

ワクチンや治療薬の開発が進む一方で、いまだに症状のメカニズムや有用な治療法は確立されていません。集団免疫を得るにはまだ程遠い状況です。一時的に収束しても、すぐに感染力の強い変異株が現れ、今後も感染の再拡大が懸念されています。

今、世界で求められているのが、ウイルスの拡散を防ぐための手軽で安価な対策です。

そこで、我々が着目したのが「紅茶」です。

「紅茶」は、比較的安価で手に入れやすく、世界中で多くの人々に愛されています。私たちの生活に深く浸透している飲み物だと言えます。

なぜ紅茶に着目したのかというと、「紅茶ポリフェノールがインフルエンザウイルスの感染力を減少させる」という研究結果がすでにあったからです。

新型コロナウイルスも、インフルエンザウイルスも、「エンベロープ」という膜を持っているウイルスです。それゆえ、新型コロナウイルスにも効果が期待できるのではないかと予測し、2020年10月に大阪大学、大阪府立大学、三井農林の三者共同による、新型コロナウイルスに対する紅茶の抗ウイルス活性の研究をスタートさせました。