不倫相手について調べるのはプライバシーの侵害にあたる

ただ、興信所の大きなデメリットは、値段が高いということ。業者によっては数十万から数百万円単位で、調査費用を請求するところもあります。

頼む内容によって、支払う金額は違います。相場を知りたいという人は、探偵興信所一般社団法人などの団体で公開している相場を調べておくのがいいでしょう。

参考までに、探偵興信所一般社団法人のHPによれば、浮気調査などの行動調査の場合の1時間調査あたりの単価は、1~2万円(調査員人数2、3名を動員)と記載されています。興信所にお願いするときは、この相場を目安にしておくとよいでしょう。

なお、最近は「レンタルおじさん」に夫の尾行を頼み、無音カメラなどで決定的瞬間を押さえてもらうというケースもあるようです。ある程度、夫の行動パターンや浮気相手を特定できている場合は、こうしたサービスを使って証拠を押さえることもおすすめです。

興信所を使用する場合、大きな注意点があります。

それは、「夫のことは調べてもいいけれども、不倫相手については調べてはいけない」ということです。

夫は自分の配偶者なので、妻には調べる権利があります。

しかし、夫を尾行した先で出会った浮気相手に関して、妻が興信所を使って調べることはできません。法律上、赤の他人である浮気相手を妻が勝手に調べることは、プライバシーの侵害になるからです。

森公任・森元みのり『妻六法』(扶桑社)
森公任・森元みのり『妻六法』(扶桑社)

夫の浮気相手が誰なのかを知りたいと思うのは当然です。メールなどのやりとりから偶然相手を知ってしまうことは仕方ありませんが、妻がその浮気相手について、積極的に名前や勤務先、住所などを調べるのは不法行為になります。

また、相手の浮気の写真を撮影したり、尾行したりすることも、プライバシーの侵害になるので注意しましょう。

まっとうな興信所の場合は、「浮気相手について調べましょう」とは言わないはずです。興信所側から、「浮気相手について調べましょうか」と言われた場合は、注意したほうがよいでしょう。

浮気相手への“復讐”は不法行為になることも

大切な人を奪った浮気相手の存在を知ったら、つい気持ちが逆上して気が付いたら仕返しを考えることもあるかもしれません。

しかし、いかに妻側が被害者であっても、度を超えた仕返しは不法行為になることも。

・相手の勤務先に、中傷のビラを配る
・相手の勤務先に、「あなたの会社の従業員であるAさんは浮気をしています」と電話する
・不倫相手と話をしている場で、相手にコップの水を浴びせる/平手打ちにする
・公衆の面前で、相手を罵倒する

などの行為は、場合によっては名誉毀損きそんや暴行罪として訴えられる可能性もあります。後々、自分の心の傷を深めないためにも気持ちを落ち着かせてください。

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