政府は電力インフラ輸出実現を急ぐべき
政府は総合商社が主導する洋上風力発電事業やインフラ運営システムの開発を支援し、国際ルール策定を主導しようとする欧州や、世界のサプライチェーンで役割が高まるアジア新興国地域向けの再生可能エネルギーを用いた電力インフラの輸出実現を急ぐべきだ。それは、わが国企業が世界の洋上風力発電分野のビジネスチャンスをより多く獲得するために欠かせない。
反対に、政府の取り組みが遅れれば、洋上風力の利用は進まず電力料金が上昇して企業のコストが増えるだろう。長めの目線で考えると、国内で電力消費の大きいアルミ関連や二酸化炭素排出量の多い製鉄などの産業活動を続けることが難しくなる恐れがある。脱炭素がわが国経済に与える影響は大きい。総合商社が国内外の製造技術やシステムを積極的に結合して早期に洋上風力発電を用いた電力供給の増加を目指すことは、わが国のエネルギー政策の転換と持続可能な経済運営に大きく貢献するだろう。