また、個人的には09年12月から、いま脚光を浴びるミニブログ「ツイッター」を始めた。140字以内でいま何をしているか、つぶやき(ツイート)をネット上で投稿すると、関心を持ったユーザーが反応する。「楽天の三木谷も始めたらしい」というつぶやきが広がったようで、フォロワー(投稿を常に見ようとする人)は3万人を超えた。

ツイッターの魅力はいいたいことをストレートに他のユーザーに話しかけられることだ。マスコミュニケーションからパーソナルコミュニケーションへ。自分で実践してみて時代の変化を確信した。

これからはマスメディアによる囲い込みの力が弱まる一方で、個人の引力が問われるようになる。そのとき、勝つのは本音で自分をさらけ出せた人間だ。どんなに着飾っても本質は簡単に見透かされてしまう。だからこそ、安全志向から抜け出し、チェンジしなければならない。

ぼくは根本的には体育会系人間なので、気合、真剣さ、負けん気、執念といったものを大事にする。勝つために真剣に取り組むには着飾ってなんかいられないはずだ。2010年の仕事始めの挨拶でも、本格的な海外進出に向け、仕事のスピードを10倍に加速するため、みんなで全速力で走ろうと檄をとばした。

スピードについてこられなければ、振り落とされる。社員一人ひとりが仕事のスピードを加速する仕組みに取り組みながら、自分を変えていく。それが楽天だ。

※すべて雑誌掲載当時

(勝見 明=構成 二石友希=撮影)