米Amazonシニア・バイス・プレジデントRuss Grandinetti(ラス・グランディネッティ)氏は10月5日に開催したAmazon ECサミット2021において、不正レビューの取り締まりに対して年間数百億円の投資をしており、2020年は2億件を超える不正なカスタマーレビューを停止したと明らかにした。消費者の不安や不信感を取り除き、健全な市場を作ることに力を入れている証拠だ。
また、Amazonは日本国内の中小規模の販売事業者の支援を2020年から強化している。日本国内だけではなく世界に向けての販売支援を行っているのは、日本のメーカーにはまだまだポテンシャルが眠っていると感じているからだろう。
「真摯な姿勢」だけでは中国勢に勝てない
当然ながら消費者が求めているのは正しい情報と安心な取引、そしてきちんとした商品である。中国メーカーの安かろう・悪かろうが受け入れられたのではなく、自分自身のニーズに対してその商品が持つ価値と価格が見合っていたから受け入れたのだ。
そこには中国メーカーであることもD2Cメーカーであることも老舗の国産メーカーであることも関係ないのが今の時代の消費者の姿だろう。
日本企業のモノづくりや消費者に対する真摯さは、強みでもあり弱みにも成り得る。
消費者、メディア媒体、流通構造など時代の変化を捉えてフェアバリューを生み出すことが肝要である。これまでの価値観を大きく変えてモノづくりを行いEC市場への進出をうまく活用していかない限り、中国メーカーの躍進に勝てない状況が当面の間続くだろう。