「アマゾン限定」などと販売先を絞った新興メーカーの商品が存在感を高めている。EC事業のコンサルティング会社GROOVE代表の田中謙伍さんは「顧客と直接取引をするD2Cメーカーが増え、売上を伸ばしている。D2Cは消費者が満足する商品を適正価格で提供できる強みがあり、従来メーカーは取り残されつつある」という――。
D2Cと書かれた木製ブロックを積む人の手元
写真=iStock.com/hirun
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Amazonの販売モデルを変えたD2Cメーカーの台頭

Amazonで「シャンプー」と検索してみてほしい。1ページ目には、普段ドラッグストアの棚で見かけるラインナップとかなり異なる商品が並ぶはずだ。GROOVE独自の市場調査では、Amazonにおけるシャンプーの売上構成はナショナルブランドをおさえ、D2Cブランドの売り上げが上位を占める結果となっている。

2000年当初から2010年ごろまでAmazonの売り上げは、大手メーカー商品を仕入れてAmazonが消費者に販売をする、いわゆる小売販売モデルが主流であったが、2010年以降、様相が変わり始めた。

マーケットプレイスの活性化により、Amazonのプラットフォームを利用して消費者へ直接販売する企業が増加。大手メーカーやナショナルブランド以外の販売者も、消費者と直接取引が可能な機会を得ることができるようになった。

その結果、国内のリアル店舗に販売網を持たない海外メーカーや新興のD2Cメーカーが徐々に売り上げを伸ばし始めた。そして2018年以降、Amazonの売上構成において直接販売モデルが小売販売モデルを抜いていくこととなる。

※Amazonの売上情報は非公開。本傾向はGROOVE独自の調査による推定

海外ブランドや新興のD2Cブランドが売り上げを伸ばしている(画像提供=筆者)
海外ブランドや新興のD2Cブランドが売り上げを伸ばしている(画像提供=筆者)

この流れが何を表しているか。旧来の大手メーカーは、国内外の新興D2Cメーカーに徐々に市場を奪われ始めているのだ。そしてそのことに気が付き始めたメーカーは「デジタル推進」や「DX」と言い出しているかもしれない。

しかし本当にDXの本質をとらえることができているだろうか。やみくもなDX推進に躍起になる前に、まず、もっとやるべきことがある。それが「D2C」への取り組みだ。