コロナ政策全体が「直線的思考」に基づいている

【宮沢】私は軟式テニスのボールみたいに、ラケットに打たれた部分がへこんで、元に戻らないのが病気だとイメージしているんです。へこんでたのがパッと戻るんだったら、健康ということでいいじゃないですか。それは日本人の感覚にも合うと思うんですよ。

鳥集徹『新型コロナワクチン 誰も言えなかった「真実」』(宝島新書)
鳥集徹『新型コロナワクチン 誰も言えなかった「真実」』(宝島新書)

【鳥集】東洋的な感じもしますね。

【宮沢】東洋的です。ところが欧米的思考って、ああなってこうなって、こうなってああなってみたいな、全部リニア(直線的)なんです。

【鳥集】ワクチンに限らず、今回のコロナ政策全体が直線的思考だと思います。人流を抑制して、遅くまで飲むのをやめさせれば感染拡大が抑えられるはずだというような。過剰な自粛で経済的に追い詰められる人が増え、自殺者を増やすかもしれないといった、他に与える影響をまるで考えないで、とにかく感染だけを抑え込もうとする。

【宮沢】私たち生物学者はもっと全体を考えます。そのイメージの違いなのかな。単純化して考えてはいけないのではないかと常々思っています。何かを一つ動かせば、他にも影響が及ぶように、コロナ対策においても同じことだと私は思うのです。

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