【配慮ナシ-2】未読無視 1対1:9.7% グループ:11.3%
既読マークをつけないまま放置しておくパタンである。この回答で多かった理由が「返信がめんどうくさい」というものだ。LINE画面の表示さえもしないというものである。こちらも、わずかではあるが「グループ」に多い。つまり、上述の「既読無視」と合わせて、自分が反応しなくてもかまわない状況にあると「無視」を選択しやすいというわけである。
「知恵」が「ルール」になっていく過渡期
以上、見てきたように、LINEであっても会話を終える時には相手への配慮ゼロというわけにはいかない。ただ、配慮や丁寧さの程度がどうかという点では、従来の対面や電話とはやや様子が異なる。LINEでは、互いに何度も別れの挨拶を繰り返したりということはない。そっけない表現を終了合図のように用いてフェードアウトしていくというのが現状のようだ。
コミュニケーションツールとしての歴史が浅いLINEでは、対面や電話のような、会話終了に向かう一定の形式が確立しているとは言い難い。とは言え、いかに円滑に、相手を不快にさせないよう、また、より小さなストレスで会話終了を成立させるかという点においてはLINEも同様だ。
ここにあげた6パタンは、そういった場で模索しつつ生まれた「解決策」であり、「知恵」だと考えられる。そして、「解決策」として編み出されたこれらの「知恵」は、今後、多くの人が知り、使いこなすことで「ルール」へと昇格する可能性がある。今はその過渡期にあると言えるだろう。このような中で、大学生が試行錯誤し、時に悩み、そしてやりとりを楽しむ姿が垣間見える。
※参考資料:総務省情報通信政策研究所「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(令和3年8月)(2021年12月1日閲覧)