栄養素も豊富で、冷えると血糖値の上昇を抑える

米は、ビタミン、ミネラル、食物繊維のほか、意外なことにタンパク質も多く含んだ食材です。

さらには、水分摂取にも役立ちます。食パンの水分量は38%ですが、おにぎりの57%は水分です。水分摂取を意識して、ご飯を食べるのも良いでしょう。

また、米は冷えることでデンプンが「軟消化性デンプン」のレジスタントスターチに変わります。このレジスタントスターチは、消化吸収されにくい上に、カロリー消費を高めます。

吸収されにくいことで、血糖値の急上昇を抑えることができます。血糖値が上がるとインスリンが分泌されますが、インスリンは脂肪を合成する働きがあります。おにぎりは、レジスタントスターチにより、血糖値が急上昇せず、インスリン分泌されにくく、脂肪合成を抑えることにつながるわけです。

炭水化物は血糖値が上がると気になる方もいるかもしれませんが、食べずに空腹を感じるよりも上手におにぎりなどを活用し満足度を高めるほうがダイエットは成功します。

血糖値の上昇を緩やかにする食べ方もあります。

おすすめは、雑穀入りのおにぎり、油入りのおにぎりであるチャーハン系やシーチキンなどのおにぎりも良いでしょう。食物繊維が多く含まれることで血糖値の急上昇を抑えるほか、油も血糖値の上昇を緩やかにする働きがあります。

ダイエットに向いているおにぎりの特徴

ダイエットにはシンプルなおにぎりは選ばないことが鉄則です。

手巻き寿司
写真=iStock.com/Yue_
※写真はイメージです

便秘の改善に向けておすすめのおにぎりは、雑穀のおにぎり、玄米のおにぎりです。雑穀や玄米には、食物繊維が豊富に含まれています。

食物繊維は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がありますが、便秘で大腸に留まっているカチカチの便をやわらかくするのが、水を含みゼリー状になる水溶性食物繊維、腸管を刺激し、蠕動ぜんどう運動を促すのが不溶性食物繊維です。

最近流行の雑穀おにぎりでスーパー大麦と言われる「バーリーマックス」という雑穀が入ったおにぎりがあります。

茶色の粒でプチプチとしたしっかりとした食感が人気ですが、一般的な大麦に比べて、2倍の食物繊維が含まれているほか、食物繊維であるフルクタンや腸内環境を整えるβグルカンなどを豊富に含んでいます。

食物繊維をたっぷりと摂取できるのも、おにぎりの良い点です。

また、体を鍛えたい、筋肉をつけたい場合には、タンパク質の含まれているおにぎりが良いでしょう。最近では、味付け玉子が丸ごと1個入ったおにぎりなどもありますし、サバ、納豆、ツナマヨ、唐揚げなどのおにぎりもタンパク質が手軽に摂れるおにぎりです。

1日に必要なタンパク質量を摂るためには、毎食、タンパク質を意識することが大切です。毎週のように新しい種類が増えるおにぎり。美味しいだけでなく、ダイエットにも向いているので、選び方をぜひ意識してみてください。