一番価値があるのは「40点から80点くらいのテスト」

それでは、どこまで上がっていけばいいのか。自分の弱点を見極めるというなら、「0点の答案が返ってくるテスト」が最高なのでしょうか。

結論から言うと、「0点のテスト」についても、やはりあまり価値がありません。テストで0点やそれに近しい点数を取るということは、「あなたはまだこのテストを受けられるような段階にいませんよ」ということを表しているからです。

実際、僕が高校3年生の夏に東大の冠模試を受験したとき、数学の点数が3点しか取れませんでした。もちろん全力で取り組んではいたのですが、問題文の1文目から全くわからなかったので、結局試験時間中ずっと寝てしまったのでした。

つまり、100点答案が「このテストは自分にとって簡単すぎる」ことのみを表したように、0点答案は「このテストは自分にとって難しすぎる」ことのみを表すのです。レベルアップしたと確信があるならともかく、次回も受ける価値があるとは言えません。

一番価値があるのは、意外なようですが「40点から80点くらいのテスト」です。つまり、「そこそこ戦えているけれど、まだまだ完璧には程遠い」くらいの答案が返ってくる方が、自分の成長という観点から見れば、ずっとうれしいのです。

「何のために行っているのか」が大事

今日は、ここまで「100点のテスト」は喜ばしいことではないということをお伝えしてきました。自分の実力を判断するうえで、「このレベルなら全く問題がない」と判定が下るのは、やはりうれしいことです。

布施川天馬『東大式時間術』(扶桑社)
布施川天馬『東大式時間術』(扶桑社)

しかし、そのうれしさに負けてしまい、次回以降もそのぬるま湯につかり続けてしまうと、それ以上のレベルに上がることができなくなってしまいます。自分が気持ちよくなるためだけに、無駄な時間とお金をかけるなんて娯楽でしかありません。

「100点のテスト」を連発するのも、娯楽だと思えば、それはそれで結構です。しかし、この場合「このテストを受けているのは勉強のためだ」なんて思ってはいけません。勉強のために受けているなら、もっとマシなレベルのテストを受けた方が、本人にとっても、周りの受験生にとっても、ためになります。

最終的に、自分は何をすべきなのか。そのためには、何を意識しながら目の前のことをこなすべきなのか。これらの意識があるかどうかで、時間や作業の効率が大きく変わってきます。

例えば、自分に合った難易度のフィールドで戦っているかどうか。点数のような一見絶対的に見える評価に頼ってしまうと、これを見極める目が曇ってしまいます。すると、大きな目的を持っていたとしても、つい目の前の些事に集中してしまうなんてことになりかねません。

そんな時こそ立ち止まって、「どうして自分はこんなことをしているのだろう」と考える時間を取ることをお勧めします。「自分は100点が欲しかったのではなく、もっと頭が良くなりたかったんだ」というところに気付くきっかけを得ることで、逆に効率よく物事を進めることができるかもしれません。

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