彼らもやはり、他人(会社や社会、親、身近な他人など)の価値観、ルールを脳内にフルインストールし、絶対的なものだと信じています。
そのため、その価値観やルールに適応できなくなり、会社や社会や身近な他人からネガティブな判断を下されている自分のことを「ダメ人間」「能力も魅力もない」「幸福になる価値がない」と思い込んでしまっているのです。
当然のことながら、それは大きな間違いです。
彼らが考えている「幸福」は、ある一時代の社会において理想とされ、追うべきモデルの一つとして提唱されたものにすぎず、今、この時代を生きる自らの心にフィットし、安らぎをもたらしてくれるものではない可能性が高いといえます。
自分が生きやすい環境を作ろう
人生の時間は限られています。
自分を縛っている他人のルールを断ち切り、自分のルールに基づいて生き直すタイミングは、早いに越したことはないのです。
今さら、他者の評価にとらわれず、自分のルールで生きろと言われても難しいという人は、まず一度、今の人間関係を見直すことを推奨します。
現在の人間関係を「快」か「不快」の目線で見てみましょう。
「不快」を感じるならば、それはあなたに我慢を強いる関係であり、あなたが「不公平」を押し付けられている可能性があります。
心理的な不快だけではなく、「動悸がする」「眠れない」「頭がいたい」「気持ちが悪い」などの身体的な症状も、あなたが受け取っている「不快のサイン」として見逃さないことも重要です。
拙著『我慢して生きるほど人生は長くない』では、自分が生きやすい環境をどう作るか、自分の納得感をどう高めるかについて、心療内科医の立場から得た気づきをシェアしています。
拙著があなたの「安心」の土壌を育むことに少しでも役に立ち、本来の可能性を発揮する一助となることを強く願っています。