7兆円の利益を生み出しているApple
それでは正解の発表です。正解は選択肢②がAppleの決算数値でした。世界のトップ企業である3社ですが、展開している事業は全く異なります。それぞれの事業の違いを決算数値から解説していきます。
まずはAppleです。Appleは大きく2つのセグメントで構成されています。iPhoneやMac、iPad等の製品を販売するプロダクトセグメントと、App Storeや各種のサブスクリプションサービスを販売するサービスセグメントです。
3社の中でも最も原価率が大きい特徴があり、原価の内訳はiPhoneやMac等の製品の原価を中心に構成されています。その一方で営業利益率は24%とメーカーの中でもトップレベルの収益性の高さです。2020年9月期の営業利益はなんと662億ドル(約7兆円)でした。
この高い収益性を生み出している背景には、企画、製造から販売までを自社で賄う垂直統合型のビジネスモデルと、販売した後も収益を生み続ける仕組みにあります。
Appleは製造の全工程を自社の管理下に置いています。その結果、製品の品質を高いレベルで維持するのみならず、各生産工程で生じる多額の中間コストを削減しています。また、製品を販売して終わりではなく、販売後もサービスを提供し続けることで1人当たりの売上高を高めています。その結果、営業利益率24%という製造業の中でもトップレベルの収益性を実現させています。
Facebookの利益率はGAFAのなかでトップクラス
次にFacebookの決算数値を見てみましょう。Facebookの売上高の大半を占めるのは広告収入です。Facebookは世界最大規模のSNSを運営しており、SNS上にいるユーザーに向けて、高い精度での広告を発信したい企業から広告収入を得ています。
Facebookのコスト構造を見てみると、非常に低い原価率が読み取れます。Facebookは自社で製品を製造したり、商品を仕入れて販売するビジネスではなく、SNSプラットフォームを運営し広告収入を得るビジネスです。
従って、SNSの運営費用が主な原価となり、売上高が増加しても原価はそこまで大きくなりにくい傾向があります。その結果、GAFAの中でもトップクラスの利益率の高さとなっています。