80年代の給食を味わったオジサン、オバサンに刺さる
なんというか、一般的に食に関する知識や情報が十分でない頃、給食はとても平和で牧歌的だったのだ。知らない幸せというのもある。80年代に小学生または中学生だった人は、この穏やかな空気に確実に心つかまれるはず。
つまりは、給食というテーマで万人を狙っているかのように見えて、実は懐古趣味が強まる40~50代の中高年にコアターゲットをしぼった、なかなかに巧妙な戦略なのだ。このドラマを勧めている人は確実におじさんかおばさんである。
ソフト麵、ミルメーク、クジラ…どれも懐かしい
ちょっとだけ過去に登場したメニューを紹介しておく。製麺業界が編み出したソフト麺(正式名称はソフトスパゲッティ式麺)、安価な深海魚(メルルーサ)を使ってコスト削減に成功した白身魚のフライ、学校でスイーツを食べる背徳感を味わえる揚げパン、瓶牛乳に混ぜるミルメーク、鯨の竜田揚げに鯨のオーロラソース。
どうだ、懐かしいだろう。そして、懐かしさは給食だけにあらず。
Season2では甘利田が学校の帰りに密かに駄菓子屋に立ち寄り、毎回駄菓子を食べるシーンも追加(抜け目ない駄菓子屋のおばちゃんを演じるのは名優・木野花)。ベビースターにいちごあめ、今後登場するであろう駄菓子も楽しみのひとつに。