「中国の宇宙軍拡 日米協力で脅威を抑えよ」と産経社説

7月6日付の産経新聞の社説(主張)はその書き出しで「日本は、中国の宇宙分野の軍拡を警戒し、抑止力を高めるべきだ」と訴え、「宇宙ステーションの関連技術が軍事利用されない保証はない」と指摘する。

さらに後半部分で「日本は、自国や同盟国米国の宇宙を利用した通信・監視システムが攻撃され、機能不全に陥らないよう備える必要がある」と主張する。見出しも「中国の宇宙軍拡 日米協力で脅威を抑えよ」である。

残念ながら現在の中国に、日本だけで対抗するのは難しい。頼りになるのはアメリカの存在だ。その現実を日本はしっかりと認識するとともに防衛力をより高度に高める必要がある。「天は自ら助くる者を助く」の精神を忘れてはならない。

「成果に伴う責任の自覚を」と毎日社説

5月27日付の毎日新聞の社説は「『宇宙強国』目指す中国 成果に伴う責任の自覚を」との見出しを掲げ、こう書き出す。

「中国が打ち上げた無人探査機が初めて火星への着陸に成功し、地質などの調査を始めた。米国に次ぐ2カ国目であり、宇宙開発においても米中競争の構図が鮮明になった」
「火星の大気は地球の1%と薄い。地球からの通信はすぐ届かず、探査機を自律制御で動かす高度な技術が求められる。中国は最初の挑戦で達成した」

アメリカをしのぐ宇宙開発の技術力のあった旧ソ連でさえ何度も失敗を繰り返した。それだけ、火星探査は難しい。火星探査など宇宙空間の開発技術における中国の実力はあなどれない。

毎日社説は「米国との宇宙協力は断絶状態だが、ロシアや欧州とは連携してきた。発展途上国の衛星打ち上げも支援し、影響力を拡大している」と指摘し、「一方で、急激な台頭は、国際社会の懸念を呼び起こしている」と書く。

連携しやすい先進国から技術を吸い上げ、その技術を後進国に流して支配下に組み入れようとする。これが中国のやり口である。かつて欧米諸国が取った植民地政策と同じだ。ミャンマーやアフリカなど中国の巨大経済圏構想の一帯一路に属する国々の状況を考えると、それがよく分かる。