目標を達成するには、ゴールまでのプロセスを見える化すること。継続のコツはタスクを習慣に組み込むことだという。夢を現実化してきた2達人が、成果に繋がる時間の使い方を指南する。
【見える化】現状を客観視できているか
●野口さんからのアドバイス
達成したい目標があるのに、遠回りしたり途中で挫折してしまったりしてなかなか辿りつけないのはなぜか。それは「目的」(何のために)、「目標」(どうなりたいのか)、「手段」(そのために何をいつまでにやるのか)が、明確になっていないからです。
「いつか海外に行くから英会話をマスターしたい」といった漠然とした目的・目標のままでは最適な勉強方法は見えないし、途中で目的を見失って挫折します。「2年後にMBA留学するために、半年後のTOEFLで900点を取りたい」というように目的を明確にしてこそ、何をどれだけ勉強すればいいのかが導かれ、途中で迷っても目的に立ち返ってふたたび目標に向かって前進できます。
仕事でいえば、会社のミッションや理念が目的、ビジョンが大きな目標、ビジョンをブレークダウンして定量化・定性化したものが、部門や個人に割り当てられた目標といえるでしょう。仕事上の目的と目標は会社が与えてくれるため、明確でわかりやすい。ところが、そこに落とし穴があります。たとえ目的と目標が明確になっていても、受け身のままでは長続きしません。会社から与えられた目的や目標を、いかに個人のミッションやビジョンとすり合わせて主体的に働くか。それが目標達成の鍵です。
とはいえ、個人のミッションなど持っていないという人が多いでしょう。そこで私がお勧めしているのは、自分の弔辞づくりです。「こういう人で、これを成し遂げた」という理想の弔辞を自分で考えるのです。
お葬式で「会社に与えられた目的・目標を着実にクリアする人でした」とだけ言われて喜ぶ人はまずいません。人生の最期に読んでもらいたい弔辞を突き詰めて考えれば、個人のミッションが浮かび上がってくるはずです。コツはキーワードの羅列ではなく、文章化することです。文章としてストーリー仕立てにすることで、背景にある思いが深まり、ミッションがより明確になります。
自分の人生のミッションを考えるときも同じです。まわりに流されてなんとなく始めるのではなく、「何のためにどうなりたいのか」を明確にしてこそ、目標に向かって主体的に取り組めるのです。