英国紙デイリー・メールは眞子さまの結婚報道に際し、「女性は天皇として即位できない」と、皇室の現状にも言及する。天皇は男系継承を維持するべきと考える「伝統主義者」の主張も紹介し、「天皇になれる男子は、神武天皇の血を(男系の男性の中のみで継承されていく)Y染色体を継ぐ者と定義付けている」と説明。「万世一系」とも呼ばれる皇位継承の厳しい伝統について、日本の事情を知らない読者に詳しく解説している。
つまり、仮に愛子さまが即位し、天皇となってその後男子を生んでも、神武天皇から継承されたY染色体はここで途切れることになる。同紙から日本の伝統を知った英国人の中には「2021年にもなって男性のみしか継げないのか」「何ともナンセンスな考え」などと、どちらかと言えば「時代遅れな発想」という声が聞こえてくる。
「旧宮家の皇籍復帰」という案もあるが…
日本で「男系継承にこだわる」という主張を続ける人々の中には、「皇籍離脱した旧宮家の皇籍復帰」という方法を掲げる向きもある。一部の旧宮家を復活させることにより、男系の皇位継承権者の範囲が広がるというわけだ。
皇籍離脱とは、終戦後の1947年に大正天皇の子息(つまり昭和天皇の男の兄弟)である秩父宮・高松宮・三笠宮の「直宮家」以外の11宮家が皇籍を抜けたことを指す。これはGHQが「皇族弱体化のための措置で行った」との見方もあり、当時皇室から抜けた人々の多くはいまや“一般人”として暮らしているという。
しかしこんな懸念がある。明治天皇の子女は複数の妻との間に全部で15人いるが、男子は夭折せず成人したのは大正天皇しかいない。女子が継承した宮家で生まれた男子がいても、すでに神武天皇のY染色体の系譜が途切れている可能性が高い。したがって、皇籍を抜けた宮家が未来において復活したとして、本来の「万世一系」が維持できるのだろうか。
もし英王室流に皇位継承順位をつけるとしたら?
ここで仮に、今の皇室に英国の王位継承順位の方法で「皇位継承順位」を振っていったらどんな格好になるだろうか。ただし、後述することは英国流なので「男女同権」、つまり「女系天皇を認める、内親王は結婚しても皇籍離脱しない」という前提で考えるとする。
この場合の「皇位継承1位」は天皇皇后両陛下の長子である愛子さまとなる。ついで、陛下の実弟の秋篠宮さまが2位だ。3位はそのお子となるので眞子さまが3位、現状で4位は佳子さま、5位は悠仁さま……となる。ただ、仮に眞子さまが出産するとその長子が4位に繰り上がり、以下順位が繰り下がる。