サービス残業を指示する上司への対処法
「タイムカードを押してから残業するように」
今どきは珍しいですが、かつてはこのような上司が一定数存在していました。このようなケースは、会社そのものは労働時間の削減に取り組んでいるつもりなのですが、現場の責任者にそれが伝わっていないときに発生します。
上司としては仕事をやりきる、成果を出すといった責任感から来ていることもあり、会社の意図とは別に忖度しているような格好になってしまうのです。このように、上司が平然と法令違反をしている場合やパワハラをしてくるような場合は、直接その上司に訴えても効果は薄いでしょう。
ではどうすればよいか? これはしかるべきルートに相談することが効果的です。人事部や人事担当者がいればその担当者に。いなければ上司のその上の上司に相談するのも解決の糸口になります。最近では社内にコンプライアンス通報窓口等が設置されているので、そういったところに連絡するのも有効です。
「今後もこの会社で働きたいか」がポイント
「会社がブラックかも」「上司がブラックかも」と思ったらまずは感情ではなく、事実を時系列に整理してみましょう。案外、一般的には“ブラック”といわれるような状態ではなく、ただ単に、ご自身の価値観とは合わない会社である可能性があるからです。
その場合、会社に変わってもらうことはほぼ不可能ですので、自分自身そこは我慢するのか、我慢できないのであれば自ら退職するしかありません。また、結果として違法行為が散見されるのであればしかるべきところに相談するしかありません。違法の程度にもよるかもしれませんが、今後もここで働きたいと思うのかどうかで「どこまで行動するか」を決めることになるでしょう。
最後に余談ではありますが、「最初から分かっていればこんなことにならなかったのに」という例が多くあります。例えば、「会社の飲み会には参加したくない」というのが重要であれば、あらかじめ面接の場でその旨確認しておけば良いのです。企業側も残業をある程度させなければならないのであれば、正直に面接で伝えなければなりません。「平均では……」などとごまかすようなことはやめて、正直に募集すべきです。
こうした求人・求職のミスマッチがなくなれば、思い込みによるブラック企業、ブラック上司についての悩みは間違いなく減るでしょう。