明治維新の本質を描いた大河ドラマ

むろん、明治という時代そのものを否定する必要はない。

しかし、薩長や一部の公卿が新政権において自らが主導権を握るために、謀略を重ね、テロを起こし、日本人同士が殺し合う状況をわざわざ引き起こしたのは、紛れもない事実である。

第27話「篤太夫と八百万の神」(9月26日放送)でも、渋沢は大隈重信に向かって

「天子様のもと、世界の知識を第一に用いた徳川と諸侯が一体となってまつりごとをすべきだったんだ。上様にはそのお覚悟があられた。だから、政を返したんだ。にもかかわらず、薩摩や長州が徳川憎しと戦を」と怒鳴っている。

明治維新の本質を端的に表していると言えよう。

NHKという公共放送のドラマを通して、学校で習う歴史でも、政府の見解としても避けてきた、明治維新の負の側面を学べる――。NHKが(日本が)少しは開けてきたということか。いずれにせよ、歓迎すべきことではないだろうか。

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