意外にも高い菅政権への評価

【原田】候補者への印象、意見も、それぞれに割れていますね。今回の総裁選は、菅総理が急に「出馬しない」と言ったところからも注目を集めているけれど、そもそもこの1年の菅政権については、みんなはどのように評価していますか?

【橋本】コロナ禍では誰がやったところで、どうにもならない状況だったと思う。菅さんには、「難しい時期にわざわざやってくれてありがとうございました」という気持ちです。

【坂本】デジタル庁をつくったり、不妊治療を保険適用にする道筋をつけたりとか、かゆいところに手の届く政策を進めていたと思います。でもコミュニケーションが下手なので、総理の器ではなかったのかな。

【八木】きちんとやることはやっていたんだと思うけれど、官房長官が適任だった気がします。リーダーシップに欠けるというか、誰かの原稿を読んでいるんだなってわかっちゃう情けなさがあって。もったいないですよね。

【高橋】僕はオリンピック・パラリンピックをとても楽しみにしていたので、無観客開催になったことが残念。ワクチンの確保をもっと機敏にできていたら、有観客で開催できたのではないか、と思ってしまいます。

【井上】いくらなんでも緊急事態宣言の延長を連発しすぎましたよね。ロックダウンまで行かなくても、もっと一点集中で効率よく感染を減らす対策ができなかったのかな、という不満はあります。

【加藤】よくコロナ対策が後手後手だったというのは言われるけれど、それは他の人でも同じだっただろうな、と思いますね。菅さん個人の問題ではなく、日本の政治の特徴というか……。デジタル庁もいまさら感があるし、全体を見たときに後手に回るのが日本の政治だよな、と。

【原田】支持率の低迷や菅総理の急な不出馬宣言の中でも、学生は冷静にいいところ、悪いとこを見て判断していますね。みんなの感想で共通しているのは、菅さんにはリーダーとしての言葉の重みが足りなかったというところでしょうか。では、若者たちは次の政権にどんなことを期待しているのか。次回は、コロナ禍で我慢を強いられている若者世代が「これからの政治に求めること」を聞いていきたいと思います。

(構成=浦上藍子)
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