「ラングラー以上、ゲレンデ未満」のニーズを捉える

新型ディフェンダーに戻って、この4つの理由を当てはめてみると、雰囲気は申し分ない。ランドローバーの持つSUV専業ブランド、英国王室のイメージ。あらゆる自然に対応するオフロード車でありながら、スタイリッシュで都会にも合う。

夜の市街地と東京タワー
写真=iStock.com/CHUNYIP WONG
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そしてその希少性。約70年ぶりのフルモデルチェンジで、旧型車とは大きくスタイリングも変更し、実質、新型車のリリースに等しい。都内でもまだ限られ、世界的な人気と供給不足で希少性は抜群だ。価格帯は、色々とオプションを付けても1000万円前後だ。

決して安くはないが、王者ゲレンデに比べれば半額近い価格帯だ。ゲレンデはやや高いし数も多いながら、そもそも手に入らない側面もある。カイエンも同様だ。

マセラティのレヴァンテ、ベントレーのベンテイガやアストンマーティンのDBX、ランボルギーニのウルスでは高すぎるし普段使いがしづらかったりする。価格はクリアできても、BMWやアウディ、ボルボやレクサスのSUVやトヨタのランドクルーザーも希少性や雰囲気、年齢層において合わなかったりするのだ。

また、人気が続くジープ・ラングラーであれば、700万円も出せば、相当いいグレードに好きなオプションをつけて新車が手に入るはずだ。しかし、こちらは、やはりアメリカンでワイルド過ぎて、40代50代以降の富裕層には少し勇気のいる選択肢になる。年齢的にも、富裕層の中核をなす、40代50代そして60代には、新型ディフェンダーの方がマッチするのだ。

中古車価格>新車価格になる外車はそう多くない

なぜランドローバーの新型ディフェンダーは、中古車価格>新車価格なのか。ゲレンデやジープ・ラングラーにはない、選択肢を求める富裕層のニーズを巧みに取り込んでおり、価格帯的にもまさに、ラングラー以上ゲレンデ未満のレンジに収まっているからだ。

もっとも、中古車価格>新車価格になっている高級外車は他にもある。フェラーリやランボルギーニなどは、生産台数が極端に少ないこともあり、プレミアムがつくことで、新車価格よりも中古車価格の方が高くなったりする。足元では、ポルシェ911シリーズの人気も根強く、15年という異例の長さのメーカー保証の存在もあり、中古車市場でも高値で取引されているが、それでも中古車価格が新車価格よりも高くなるのは、911ターボモデルやGT3モデルなど一部の最上位モデルを除けば、稀である。

世界的なSUV人気とカネ余りと半導体不足を背景に、①雰囲気、②希少性、③価格帯、④年齢層、の4つの要素が富裕層ニーズにはまった新型ディフェンダー人気はしばらく続きそうだ。

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