【脳の罠②】欲求を無限に追求してしまう

インターネットやSNSには、私たちの脳に働きかけ、欲求を刺激するさまざまな仕掛けが用意されています。

あなたは、いちどチェックした製品の類似商品が、ほかのサイトを見たときに自動的に表示され、ついクリックして買ってしまった、という経験をしたことがないでしょうか。これは、欲求を刺激する仕掛けにみごとにハマってしまった例です。

いちど見た情報は脳に記憶されます。そして、もういちど同じものを見ると、2回目の情報が1回目のものと同じかどうか、脳内で確認作業が始まります。

こうした情報の確認を何度もすると、その記憶が「体験記憶」となって脳に定着します。すると脳は、その情報に親近感を覚え、それを選択しやすくなってしまうのです。これは、商品の購入だけでなく、ネット中毒全体の構造です。

【脳の罠③】リセットができない

いちどネット中毒やゲーム中毒になってしまうと、やめたい、でも、やめられない……という状態に陥ります。

私たちは、何かにのめり込むと自分の欲求を満たすことが最優先になり、ほかのことはどうでもよくなってしまいます。すると、食事も、寝る時間も関係なくなってしまいます。

いちばんの問題は睡眠です。脳は自然に適応するようにできています。太陽が昇ったら活動を始め、沈んだら終了するという「自然のサイクル」に合わせて動いています。そして、睡眠によってリセットされるようにできています。

ところが、深夜までネットサーフィンやゲームをしていると、このリセットができません。パソコンやスマホは、夜になったからといって自動的に電源が切れるわけではないので、自分でやめようとしない限り、脳をリセットすることができないのです。

【脳の罠④】依存しやすい

脳のリセットができない状態が続くと、ネットに依存する「脳のクセ」が確立されてしまいます。依存とはまさに、自分の欲求を抑えられない状態です。

依存の対象になるものには、買い物やギャンブル、ゲームなどいろいろありますが、インターネットやSNSはその代表といえます。

【脳の罠⑤】脳を怠けさせる

ネット機能だけではありません。常にパソコンやスマホが身近にあることで、今やこれらは、脳の重要な働きのひとつである「記憶装置」として大活躍しています。

かけたい相手の電話番号だけでなく、辞書がわりに漢字を調べたり、ちょっとした計算すらスマホやパソコンの計算機能に頼ったりしてしまうことで、脳にはすっかりなまけグセがついているのです。