「業務の性質上、必ず会わなければならないものではないので、完全外出禁止にしておけば良かったです」。代表が以後の対策をしなければと考えている部分だ。
また、いくつかの業務は紙で処理する工程があり、全社員在宅勤務の足を引っ張った。
顧客に説明することで、フローを変更したり、データに切り替えたりすることができたが、最初からそうしておけばよかったと代表は感じている。
そして地味に困ったのが電話だ。これまではアルバイトが事務所にかかってくる電話を取るようにしていたが、アルバイトには携帯電話を支給していなかったため、転送される電話を社員が受けることになり、電話対応業務に忙殺されることになった。
この機会に電話対応代行会社に依頼したところ、営業など業務に不要な電話が多いことが見える化され、また電話を取ることで業務が中断され、集中が途切れることがなくなったので、費用対効果が高いことを実感したという。
「コロナ感染者はどの会社でも出る」だからこそ事前の備えを
「社内にコロナ感染者が出たものの、軽症や無症状で済んで本当によかった。クラスターにつながらなかったのは、不幸中の幸いです」
代表はそう語りながら、今回の件で実務に生じた影響について、感想を述べた。
「1人でも陽性者が出たらこんなにもいろいろ対応しないといけないのか、というのが正直な思いです。陽性反応の出た社員の1人はワクチン1回目の接種を終えていたわけで、ワクチン接種が広がっても感染を防げるわけではないことを考えると、今後もある程度対策をとっておかないと業務が回らなくて困ると、痛感しました。今回、行動に問題なかった社員が感染した事実からして、『コロナ感染はどこにいても起こりうる。防ぎようがない』とよくわかりました。まだ社員の感染が出ていない会社も、対岸の火事と思わないこと、今すぐ全員在宅勤務になっても困らないよう、対策を始めていただきたいというのが、お伝えしたいことです」