SNSを通じて性犯罪に巻き込まれる子供が増えている。児童ポルノ禁止法の被害児童はこの約10年で3倍超になった。多くの手口は、子供たちに「自撮り」を要求するものだ。ライターの高橋ユキさんは「加害者は少しずつ情報を引き出しながら、最後は『親に知らせる』などと脅してくる。親子間で相談できる環境を整えるために、3つのポイントを伝えてほしい」という——。
児童虐待のイメージ
写真=iStock.com/chameleonseye
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自宅に誘い込んで性行為に及ぶ様子を盗撮

近年、刑事裁判を傍聴していると犯罪の形が変わってきたと感じる。特に児童わいせつ事案では、「SNS」と「スマホ」の影響が非常に大きい。

強制性交等罪と児童ポルノ禁止法違反で起訴され、今年千葉地裁で公判が開かれていた富田嵐(公判当時28)は2018年、小学5年生だった男児と学生専用をうたっていたSNSの「ひま部」(現在はサービス終了)で出会った。富田は学生ではなかったが「ひま部」に紛れ込み、男児にコンタクトを取った。

公判で読み上げられた被害児童の調書によれば「母親が買ってくれたタブレットで『ひま部』というアプリを使っていて、被告人と知り合った。途中からLINEに移ってやりとりを続けていると、お互い車に興味があるということが分かった。ラジコンカーを買ってもらうという話になり、会うことになった」という。

富田は男児を自宅に誘い込んで性行為に及ぼうとし、その様子を男児に無断でスマホを使って録画している。

「部屋を見ると、携帯電話が本棚に置いてあったので盗撮に気づき『データを消して』と頼んだ。削除してくれたが、ゴミ箱の中までは確認しなかった」(同調書)

警察から連絡を受けて初めて、男児の母親は被害を知った。