家庭でも役立つ「属人化防止」のコツ

組織やチームに大きなリスクを与える可能性がある「属人化」問題。起こってしまう理由は、大きく3つあります。

① 業務がマニュアル化されていない、他のメンバーに共有する時間や仕組みがない。
② 専門的である、担当者にしかわからない感覚的マネジメントが存在する(行動のように管理できない)。
③ 独占することで、自分がその業務で必要不可欠な存在になる。

属人化をさせないスキルは、家庭で必要とされる能力の大事な1つになります。

家事育児において、夫婦の役割にアンバランスが生まれるのは、どちらかに「属人化した業務」が発生しているからです。

冷蔵庫の中身をチェックし、献立を考える女性
※写真はイメージです(写真=iStock.com/Daisy-Daisy)

料理や掃除程度だったら、さすがにもう「ママじゃないとダメ」なんてことは、共働き家庭においては少なくなっていると思いますが(そうでない場合は、夫との話し合いが急務です)、作業だけでなく、物の収納や手配においては、まだまだ「○○じゃないとわからない=属人化」が存在しているご家庭は多いでしょう。

「薬は、ママじゃないとわからない」
「食材の注文や冷蔵庫の中身の補充もママじゃないとわからない」
「ベビーシッターの手配、準備物がわからない」

などなど。

育児は感情労働です。どうしても「寝かしつけはママじゃないとダメ」「着替えもママじゃないとダメ」など、子どもが小さいうちは存在します。これは「感覚的マネジメント」と呼ばれます。行動と違って、その担当者にしかわからない対応です。

しかし、育児の「ママがいい」を優先させてやる分、他の家事やさまざまな手配など、家庭を円滑に生かすための作業に関しては、夫婦2人で属人化させずに、どちらがやってもどうにかなる状況をつくることが重要です。

実際、職場だけでなく家庭内でも、「ママがいなくてもOK」の家庭ほど、何がどこにあるのか、パパでもママでもベビーシッターさんにもわかるようになっており(普段わかりにくい、薬、ビニール袋のストックなど)、属人化されてない仕組みができあがっています。