投資で痛い目に遭わないために何ができるか。代々木ゼミナールの人気講師・蔭山克秀氏は、「今、世界はコロナ緩和マネーがあふれ、日本もバブルの様相だ」と言う。過去の教訓から学び、失敗を繰り返さないために、改めてあのバブルが起こった背景を知っておきたい――。
グローバルな通貨と技術の概念
写真=iStock.com/metamorworks
※写真はイメージです

「カネ余り」期に「投機商品」があればバブルに

バブルとは、土地や株などの「資産」(個人や企業がもつ現金化が可能な財産)への投機が過熱した結果、世の中の好不況や実体経済の規模とは無関係に、地価や株価だけが異常に高騰する現象です。つまり地価や株価が、実体経済という「中身がないのに膨らむ」からバブル(=泡)というわけです。

バブルが起こりやすいタイミングは、2つあります。ひとつは「投機に向いた手頃な商品」が出現したとき。そして、もうひとつは「カネ余り」が起きているとき(あるいはその両方)です。たとえば16世紀のオランダのチューリップバブルなどは、前者の典型例。その珍しくも美しい花は希少性が高く、しかも球根で取り引きできる手軽さは交換価値を高め、価格はあっという間に「球根1つ=土地4.8ha」まで上昇しました。これに対し、1980年代の日本のバブルは、手頃な商品とカネ余り、両方がそろっていました。

カネ余りは、好況時だけでなく、不況時にも起こります。いやむしろ、不況時のほうがカネ余りの規模が大きく、バブルを誘発しやすいといえるでしょう。なぜなら不況時には、金融面(日銀)でも財政面(政府)でも緩和政策が実施されることで、大々的に「カネがばらまかれる」からです。そのせいで過剰流動性(カネ余り)が発生し、そのカネが土地や株式の市場に流れ込めば、実体経済が不況のままでもバブルが発生するのです。

バブルのおかげで、景気はよくなります。土地や株で利益を得た個人や企業の金回りがよくなる「資産効果」が、景気を牽引してくれるからです。しかし、そのカネの多くは、設備投資などの実体経済に向かいません。「さらなる投機」に向かいます。

こうなると、かなり危険。マネーゲームの規模と実体経済の規模が、どんどん乖離かいりしていき、それが続くとバブル崩壊時の金銭的損失を、実体経済でカバーしきれなくなります。わかりやすくいうと、マネーゲームに失敗した企業の出す損失額は、本業の利益でカバーできる額をはるかに超えるため、結果破綻を招いてしまうのです。