投資で痛い目に遭わないために何ができるか。代々木ゼミナールの人気講師・蔭山克秀氏は、「今、世界はコロナ緩和マネーがあふれ、日本もバブルの様相だ」と言う。過去の教訓から学び、失敗を繰り返さないために、改めてあのバブルが起こった背景を知っておきたい――。
グローバルな通貨と技術の概念
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「カネ余り」期に「投機商品」があればバブルに

バブルとは、土地や株などの「資産」(個人や企業がもつ現金化が可能な財産)への投機が過熱した結果、世の中の好不況や実体経済の規模とは無関係に、地価や株価だけが異常に高騰する現象です。つまり地価や株価が、実体経済という「中身がないのに膨らむ」からバブル(=泡)というわけです。

バブルが起こりやすいタイミングは、2つあります。ひとつは「投機に向いた手頃な商品」が出現したとき。そして、もうひとつは「カネ余り」が起きているとき(あるいはその両方)です。たとえば16世紀のオランダのチューリップバブルなどは、前者の典型例。その珍しくも美しい花は希少性が高く、しかも球根で取り引きできる手軽さは交換価値を高め、価格はあっという間に「球根1つ=土地4.8ha」まで上昇しました。これに対し、1980年代の日本のバブルは、手頃な商品とカネ余り、両方がそろっていました。