閉幕した東京五輪、全33競技の金・銀・銅のメダル数は計1077個。そのうち約64%にあたる684個を米国、中国、日本など15カ国(参加した206の国・地域の約7%)が獲得した。経営コンサルタントの小宮一慶氏は「GDPの値の大きい経済力のある国が多くのメダルを獲得しましたが、経済規模が小さいわりにメダルが多い国もあった」という。3つのランキング表を紹介しよう――。
上位15カ国で約65%のメダル獲得
東京オリンピックが閉幕しました。今回は、オリンピックでの各国のメダル獲得数と、名目GDPとの関係を調べてみました。つまり、経済力とメダル獲得数は関係があるのかということです。結論的には、経済の大きさと獲得メダル数には関係があるが、個別の国々を分析すると違う側面も見えてくるということです。
図表1はメダル獲得上位15カ国の数字です。
金メダルで見ると、上位15カ国で234のメダルを獲得しており(1位米国39個、2位中国38個、3位日本27個)、全体の金メダル数337のうちの69.4%を獲得しています。同様に、銀メダルは総数で338のうち15カ国で216個、全体の63.9%を獲得しています。銅メダル獲得数は15カ国で234個、総数402のうちの58.2%です。東京五輪に参加した国・地域の数は206でしたが、上位15カ国(全体の約7%)が、金・銀・銅の約65%を獲得したことになります。
メダルに重みをつけるために、便宜的に金メダルを3点、銀メダルを2点、銅メダルを1点とすると、総点数は2089点で、上位15カ国では1368点、シェアでは65.5%ということになります。国別にみると、米国232点、中国196点と1位、2位は変わりませんが、日本は、銀メダルの数が比較的多いROC(ロシアオリンピック委員会)と英国に抜かれて5位ということになります。