プレゼンの上手い人、下手な人はどこが違うのか。1万回以上のプレゼンをしてきたクリエイティブディレクターの小西利行氏は「プレゼンは大変だけど、そんなに難しくはない。ある必勝パターンを使えば自動的にうまくいく」という――。

※本稿は、小西利行『プレゼン思考』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

会議室で堂々とプレゼンする女性
写真=iStock.com/alvarez
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プレゼンは大変だけど、そんなに難しくはない

プレゼンには、正しい「姿」があります。

それは、「目的達成に向けて、やるべきことを考え、相手にその思いを届け、共感を生み、ともに行動するきっかけとなること」。これは、プレゼンだけでなく、ビジネス全般や人生にも通じる大切な考え方だと思います。

でも、一般的なプレゼンでは、プレゼンすることに力を注ぎすぎて、その後に「行動を生み、成果を出すこと」を忘れがち。

プレゼンの席上で「いいね!」と評価されて浮かれていたら、そのまま放置されて何もなく終わった、なんてこともよくありますが、やはり、その場での共感や盛り上がりだけではなく、実際の行動を生み、成果へと向かうことが必要です。

小西利行『プレゼン思考』(かんき出版)
小西利行『プレゼン思考』(かんき出版)

それをしっかりと意識するためにも、僕は毎回のプレゼン前に、「この提案はゴールではなく、スタートだ」と意識するようにしています。「10年後に、商品の価値を10倍にします」と約束することもあります。そう意識することで、10年以上お付き合いする仕事もたくさん生まれ、実際、商品の売上が10倍や100倍になったモノも、多く生まれました。

それもこれも、ただそのときの1時間のためではなく、そこからの1年、10年、50年を考え「行動を生み、成果を出す」プレゼンをしたからだと思います。

プレゼンは未来をつくるためにあります。“その場で提案して終わり”ではありません。今のことはもちろん大切ですが、数年後の未来は、それ以上に大切だと僕は思います。

だからこそ、今だけを乗り切るカンフル剤ではなく、今の課題を解決しつつ、ワクワクする未来を実現するプランを提案するようにしたほうが良いのです。

「うわあ、なんだか邪魔くさくて、大変そうだな」と思った方……、正解です。クライアントや自社の未来を決めるプレゼンが、大変でないはずはありません。

でも、本当にやりがいがあることですし、意外にもそんなに難しいことではありません。あるパターンさえ覚えれば、それだけでも未来をつくるプレゼンができるからです。

【図表1】プレゼンとは
【図表1】プレゼンとは(出所=『プレゼン思考』)