コツ3:「怒らないゲーム」にする
中学受験のサポートには親自身のイライラをうまく調整することも大事だ。清水さんは、
「自分が怒ったら子供の偏差値が5下がるゲーム」だと言い聞かせて、感情をコントロールしたそうだ。
「怒らないゲーム」を成功させるために、清水さんがやったことは三つある。一つは伝え方の工夫だ。
「例えば子供がゲームや本に夢中になっているとき、『いい加減にやめなさい!』と言いたくなりますが、そこから険悪な雰囲気になりますよね。そういう場合はまず『何時までやる?』と聞きます。子供が設定した時間をオーバーしたとしても『次からはどうしたらいい?』などと、子供が自分の行動を振り返れるような言い方をするようにしました」
二つ目は、親の気持ちを伝えるときのタイミングに気を付けること。
「子供が寝るときに伝えるようにしていました。寝る前、ベッドの横に座り、『今日はどうだった?』などと話しかけます。真っ暗な部屋だとあまり怒れないので、穏やかに娘の気持ちを聞いたり、自分の気持ちを伝えたりできました」
三つ目はイライラするときは思い切って早く寝るということだ。
「なんだか今日はイライラしてしまうというときは、だいたい疲れているんですよね。怒らないゲームをクリアするためにも『ママ、疲れているから寝るね』と言って、夜の9時に子供より早く寝てしまっていました。たいてい寝たらすっきりするんですよね」
自分のストレスをいかにためないかにも心を配り、1日30分は自分のための時間もつくっていたそうだ。
(文=加藤紀子 撮影=市来朋久)