「仕事がデキる」と評価される人は、どこが違うのか。営業コンサルタントの浅川智仁氏は「高く評価されるためには、相手の心をつかむことが重要だ。そのために有効な会話の進め方がある」という――。

※本稿は、浅川智仁『仕事ができる人は、3分話せばわかる 信頼を勝ち取る「準備・具体性・ストーリー」』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

質問をする, 尋問マーク, なぜ何がどこで誰
写真=iStock.com/anyaberkut
※写真はイメージです

話は「分解」して、イメージを明確にする

私が、物事をより具体的に掘り下げたいとき、大切にしているのは、「分解」という行為です。

たとえば、「幸せになりたい」という言葉。

人によって、「お金持ちになりたい」のか、「悩むことなく過ごしたい」のか、「家族と一緒に平凡に暮らしたい」のか、それぞれ「幸せ」のイメージは異なります。

「お金持ちになりたい」としても、「年収1000万円でよし」とする人もいれば、「1億円はほしい」という人もいる。

分解して掘り下げないと、具体的なイメージがわかりません。

たとえば私は、研修の注文を獲得してきた社員に、次のように深掘りして尋ねます。

「この会社さんは、どうして研修をやりたいの?」
「えーと、営業パーソンの営業力を上げたいらしいです」
「その営業パーソンって、どの層の営業パーソンなの?」
「えっ?」
「研修によって営業力をアップさせたいのが、新入社員なのか、入社2~3年目の若手なのか、10年そこそこの中堅なのか、店長クラスなのか、マネジメントクラスなのか、層によって研修の中身は変わるよね。どの層への研修を望まれているの?」
「……すみません、聞いてないです」

「いや、そこは聞こうよ!」っていう話です。

さらに、ひと口に「営業力アップ」と言っても、「営業としての心がまえの強化」なのか、「営業テクニックの強化」なのか、それによっても研修内容は変わります。

相手のニーズに正しく応えるためには、このように、「分解」して掘り下げ、イメージを明確にする必要があるのです。