ナイキ以外のシューズを履くスーパースターたち

ナイキ勢は同じ陸上トラック競技において、長距離以外の種目でもその存在感は際立っている。国内では男子100mで9秒95の日本記録を持つ山縣亮太(セイコー)、同9秒98の小池祐貴(住友電工)、日本選手権男子100m王者の多田修平(住友電工)がナイキのスパイクを着用している。こちらは〈スーパーフライ エリート2〉という短距離用のモデルだ。

だが、短距離種目は決して“ナイキ一強”ではない。東京五輪では他ブランドを履く選手たちも超人たちがそろっている。

ゴールテープを切る選手たち
写真=iStock.com/tomazl
※写真はイメージです
◎アディダス、ニューバランス、プーマ

ナイキの最大のライバルであるアディダスは、男子110mハードルで世界記録(12秒80)に0.01秒差と迫った23歳の米国人選手らが契約している。次世代のスーパースター候補もいる。あのウサイン・ボルト(ジャマイカ)が保持してした男子200mのU18およびU20の世界記録を塗り替えた米国の17歳の男子選手は高校生ながらアディダスとプロ契約を結んでいる。

ニューバランスは男子100mで世界歴代7位の9秒77(+1.5)をマークしている米国人選手、また今季21歳にして女子400mハードルの世界記録保持者となった米国人選手らが契約選手。ともに、今五輪のスーパースター候補だ。

一方、日本の陸上界ではメジャーな存在ではないが、プーマもポテンシャルの高いアスリートと契約している。昨年、「鳥人」と呼ばれたセルゲイ・ブブカ(ウクライナ)が保持していた男子棒高跳びの世界記録を26年ぶりに塗り替えた21歳のスウェーデン人選手。それから今季、男子トラック種目で最古となる男子400mハードルの世界記録を29年ぶりに更新する46秒70をマークしたノルウェー人選手だ。日本人ではサニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)がパートナーシップを結んでいる。

◎ミズノ、アシックス

それでは国内ブランドはどうかといえば、正直なところ海外ブランドに押され気味だ。1990年代にはミズノが往年の名選手であるカール・ルイス(米国)と、アシックスがリロイ・バレル(米国)と契約していた。しかし、現在は国内ブランドと契約している世界的なスーパースターは見当たらない。

ミズノは男子20km競歩の金メダル候補の山西利和(愛知製鋼)、男子110mハードルで今季世界リスト3位の13秒06(日本記録)をたたき出した泉谷駿介(順天堂大)、男子走り幅跳びで入賞の期待がかかる橋岡優輝(富士通)らが着用している。

アシックスは日本陸連とオフィシャルパートナー契約を結んでおり、今回、日本代表のユニフォームを作製している。だが、アシックスのシューズを履いているのは女子マラソン代表の前田穂南(天満屋)、男子4×100mリレー代表の桐生祥秀(日本生命)らで人数的には少数派だ。東京五輪のスポーツ用品部門唯一のゴールドパートナーを務めるだけに、しっかりとブランドをPRしたいところだ。

世界中から注目を浴びるオリンピック。主役であるアスリートたちをサポートするシューズにも熱視線が注がれている。果たしてどのブランドが“金メダル”に輝くだろうか。

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