自社の中にある情報を見つけ出せるか

自社の最も大切な情報は、灯台下暗し、なんといっても自社自身に存在します。

平美都江『なぜ、おばちゃん社長は価値ゼロの会社を100億円で売却できたのか 父が廃業した会社を引き継ぎ、受注ゼロからの奇跡の大逆転』(ダイヤモンド社)
平美都江『なぜ、おばちゃん社長は価値ゼロの会社を100億円で売却できたのか 父が廃業した会社を引き継ぎ、受注ゼロからの奇跡の大逆転』(ダイヤモンド社)

つまり、自分の会社の帳簿を眺めていれば、どこを改善すべきなのか、必ず情報が見えてくる。見えてこない人は、単に関心を持って見ていないか、知識や経験が不足していて、ただの数字の羅列にしか見えないかでしょう。

私は、経営者ならばいつも帳簿を穴が空くほど眺めているものだと思っていましたが、どうやら世間にはそうではない人も少なくないそうです。

帳簿は、最終的な利益がいくらなのかを示す「経営者の成績表」であるだけでなく、なぜその成績がついたのか、どうすればもっと成績を上げることができるのかのヒントもたくさん隠されています。学生の通信簿みたいなもの。

ただ、私たちはもはや学生ではない。世話を焼いてくれたり、怒ってくれたり、優しく教えてくれたりする先生はどこにもいません。自分で帳簿を見て、何を改善すべきかをつかみ取らなければならないわけです。

では、どこに着目すればいいのか?

流動資産がなければ即倒産

私たち中小企業の場合、いざというときに現金(+すぐに現金化できる資産=流動資産)がなければ即倒産です。

売上規模が大きくても、帳簿の上では利益が出ていても、支払わなければならないときに現金がなければ、手形が落ちなければジ・エンド。そんな、追い込まれた中小企業に資金を融通してくれる金融機関はおそらくない。

私も父からバトンタッチしたとき、メインバンク3行から「あなたに貸すお金は、1円もない」と、突き放された、苦い経験があるからこそ断言できるんです。だから、大原則はこれです。