現金を貯めておくことが最優先
もちろん、最終的には実質的な利益を出していくことが目標。しかし、ひとまず現実を考えれば、実際の手持ち現金を増やすためなら、たとえ表面上は当期純利益が赤字でもかまいません。
私がすごく不思議に感じるのは、経営者の中には現金を貯めようという意志がなく、目標額も意識していない人があまりにも多いこと。
昭和の昔はそれでもよかったんです。金利以上にインフレしていたから、とにかく会社を回して、右肩上がりの経済成長に乗ってさえいれば、手元現金は金融機関から借りられたから。うちの会社なんて、父があまりにも先進的だったせいで大規模な設備投資にこだわり、80年代は100億円(!)ほど借り入れがあったのに、売り上げの管理もコスト感覚もずさんで、税金も払えない時期があった。それでも倒産しなかった(倒産の危機の綱渡りでしたが)。ただ、これはあくまで昔の話です。
何もせずに年3億円の現金収入が入る仕組み
これはちょっと自慢話。私が父から会社を引き継いだとき、まずしたことは固定資産(土地・建物)の売却だった。なぜなら、売り上げがまったくなく、回転資金がないんですから、そうするよりほかに現金を手に入れる方法がなかったから。もっとも、売れるものがあっただけ幸運でした。
売って確保した現金が8億円。そこに襲ってきたのが、東日本大震災と急激な円高だった。目も当てられないピンチ。ところがここで、私は会社の遊休地に太陽光パネルを設置したのです。