テレワーク中の浸透で、LINEなどのチャットツールを職場で使う機会が増えている。ただし、そこでは「おじさん構文」と呼ばれる世代間のギャップも発生している。成蹊大学客員教授の高橋暁子さんは「無理にチャットツールを使いこなそうとするから間違えてしまう。自分の慣れたやり方で、丁寧に意図を伝えようとした方がいい」という――。
おじさん構文のLINE画面
画像提供=高橋暁子
おじさん構文のイメージ

かつては下心丸出しで気持ち悪がられていたが…

4年ほど前から、「おじさん構文」が定期的に話題に上る。おじさん構文とは、中高年がやりがちな主にSNS上での上滑りしたコミュニケーションのことだ。「汗をかいた絵文字」「!や⁉などの絵文字」「〜だネ」「○○チャン」などの特徴を持ち、若者たちには面白がられたり、まねされたりしてきた。

「自分はおじさん構文だった」「テレビで取り上げられていて落ち込んだ」という、当事者の中高年の声もよく耳に届く。テレワークで社内コミュニケーションが対面や電話からメッセージでのやりとりに変わり、中高年が失敗するリスクも増えているという。

「お疲れさま!!!
毎日暑くて集中力が続かないネ(汗)あ、トシのせいか(汗)
ところで、資料作成進んでいるかな? プレゼン本番は来週なので、その前に確認したいので、今週末までには送ってください(ペコリ)(汗)
落ち着いたら、部のみんなで飲みに行きたいネ(ビール)」

20代会社員のAさんは、テレワークが続き、上司からおじさん構文のメッセージが送られてくるようになったことが正直負担だという。「『ウワサのおじさん構文そのまま』と感じた。上司からの連絡だから嫌とも言いづらいけれど、正直リアクションに困ってしまう」とため息をつく。

かつてのおじさん構文は、バイト先の店長などが女子学生に対して、下心丸出しであわよくばデートに持ち込もうとして送ってくるものが多かった。「二人で飲みに行こうとか誘ってくるのがキモい」と聞いたことがある。しかし今は、テレワークによって上司が部下に連絡をする際に、おじさん構文になってしまっている例が増えているようだ。