それに加えて、西村はグルメサイトを使って、飲食店が新型コロナウイルス感染防止対策に適切に取り組んでいるか、時短は守っているか、酒は提供していないか、「情報提供という名の密告」を求めていたことが東京新聞で報じられた。
東京新聞(7月16日付)によれば、7月15日の参院内閣委員会で共産党の田村智子議員が、「市民からの密告で飲食店を取り締まろうとしている。撤回すべきだ」と迫ったが、西村は「具体的な運用を進めている」といったものの、それ以上は応じなかったという。
グルメサイトを使って違反店の密告も
これは西村が7月2日の会見でいい出した。「食べログ」「ぐるなび」「ホットペッパーグルメ」の3つのサイトに、国が設けるアンケートページへのリンクを掲載して、手指消毒の呼びかけ、座席の距離、食事中以外のマスク着用の呼びかけ、換気状況などについて利用客に回答してもらうというものだ。
だが、この制度に対して、東京都世田谷区で飲食業を営む男性は東京新聞に対して、「幼稚な発想だ。書き込みは個人の主観で、指標にするのはどうかと思う」と批判している。
東京新聞も、「回答の中には、ライバル店や悪意のある客からのものも想定され、政府などが正しく判断できるのか」と懸念を示している。
世間を知らない永田町の裸の大臣は、「食べログ」が加盟店に対して、年会費を増やせば、検索した時、上位に出るようにすると持ち掛けたり、悪意を持った利用者の書き込みで迷惑を被ったりしている飲食店があることを聞いたことはないのだろう。
さらに「ぐるなび」は、菅首相と親しい“政商”といわれる滝久雄が会長を務めていて、ノンフィクション・ライターの森功によれば、「菅首相が長年の支援者である滝さんを文化功労者に推し込んだのではないか」(週刊現代7月10・17日号)といわれる人物だということを、西村が知らないはずはないだろう。
自民党議員が飲食チェーン首脳陣と会食
すべては菅の威を借る西村という構図なのである。先の金融機関から飲食店に圧力をかけるという西村発言も、その2日前に、
「コロナ対策に関係する五大臣会合が開かれました。菅首相や加藤勝信官房長官も参加する会議です。この場で西村氏は、自身のプランを説明した。つまり、菅首相も加藤氏も了解済みの事柄なのです」(政治部記者=週刊文春)
西村担当相は、同じ号の週刊文春が報じている、自民党「魔の3回生」議員と大手飲食店チェーントップたちとの「飲食会食」には、さぞ厳しい処罰を下すのでしょうな。