家事分担の不平等をどう解消するか

もうひとつ、ワーキングマザーを悩ませているのが家事の役割分担です。共働き家庭なのにも関わらず、どうしても配偶者が家事に協力的ではない場合はどうすればいいのでしょうか?

わたしの答えは「非暴力の抵抗」です。もっと言えば「リパターニング」です。協力してくれないのなら、彼の洗濯物を洗わなければいいのです。そうすれば、彼はいやでも洗濯物を自分で洗わなければなりませんよね?

少しの間家を空ける計画を立てて、彼にすべての家事を体験させてみるのも手です。配偶者の多くは「家事は簡単だ」と思っている節があるので、それを実際にやってもらわなければならない状況を作り出すのです。これらの「抵抗」は効果的でこそあれ、実行するのは難しいですけどね。

包丁でキュウリを切る男性
写真=iStock.com/Yagi-Studio
※写真はイメージです

話し合いの場を持つための3ステップ

上記は少々荒療治かもしれません。ここからは、一歩下がってより広い視点から解決策を探ってみます。

そもそも、結婚する意味とはなんでしょうか。経済的な理由で結婚することが多かった江戸時代とは違い、現代の日本において結婚の最大の決め手となるのは感情的なつながりだと思われます。しかし、この感情的につながっている関係を長期的に維持するには、わたしたちより1、2世代前の夫婦が持っていたスキルとは異なったスキルを必要とします。

そこで、お互いが相手に何を期待しているかを確認するための話し合いがとても重要になってきます。できれば結婚する前に話し合っておくのが理想的ですが、すでに結婚している場合でも重要なことに変わりはありません。

まず、以前の記事「上司の裏切り、夫の無理解…「クレイジーな出来事」に翻弄されない人がもつ"あるスキル"​」でも説明した通り、社会に与えられたデフォルトの役割に無自覚に従っていないか――すなわち“マインドレス”な状態に陥っていないかをそれぞれ確認する必要があります。その上で、自分が本当に望んでいる結果を確認します。なぜ結婚したのでしょうか? 結婚することで相手にどのような期待を抱いていたのでしょうか?

お互いにそこまで理解を深めた上で、それぞれが何をどう役割分担するべきか、前向きな話し合いを行います。大切なのは、ビジョンです。将来どんな家族になりたいのか、どんな家庭を作っていきたいのかをとことん話し合うことで、共通のビジョンを作っていきます。ビジョンは、すなわちインテンション(意図)です。インテンションがあることで、そこに向かっていくための何らかのアクション(行動)を起こす必要性が生まれます。

アクションは、「今」という瞬間にこそ起こりうるものです。「今」の瞬間が次の「今」、そのまた次の「今」につながり、最終的にはリザルト(結果)につながります。最も重要なのは、今のアクションが結果を変えられるかどうかです。