「漢字くらい書けて当たり前なんだから、練習しなさい」といった声かけも同じです。「○○ぐらいやれ」という言葉は、言うほどにやらなくなります。
それなら普通に「宿題やりなさい」と言ったほうがマシです。子どもが頑張る気持ちになれるのは、宿題をやることに価値を感じられたときです。
「こんなむずかしそうな宿題をやれるなんてすごいね」「お母さんはよく宿題忘れたものだけど、ちゃんと宿題やろうとしているなんてえらいなあ」なんて言うほうが、やる気になりますよ。
「100点のテストは最悪!?」点数より大事なことは“子の気持ち”
学習の面で言うと、テストの点が悪かったときはチャンスです。
復習して学力を伸ばすことができます。そういう意味では100点のテストは最悪。100点だったら「やったー!」で終わりです。たまたま勉強した範囲が出ただけかもしれないけれど、安心してもうやらなくなってしまう。
一方、たまたま知らないところばかり出て0点になってしまったら、そこを勉強すればいいとわかります。
ですから、お子さんのテストの点数によって頭ごなしに叱ったりするのではなく、そこから学べることを一緒に見つけていく姿勢が大切です。
僕は生徒が学校のテスト結果を見せに来たら、基本的にまず「どう思っているの?」と聞きます。たとえば75点のテストを見せられて、「おお、すごいじゃん」と思う人もいれば「もうちょっと頑張らないとね」と思う人もいますよね。
でも、これはすべて主観でしかありません。テスト結果を見せられた側の評価は関係ない。どうでもいいのです。だから、本人がどう思っているのか聞きます。
すると、たとえば「すごく嬉しかった。今回のテストはすごくむずかしくて平均点が30点だった。70点以上とれたのは私だけで、先生もほめてくれたんだ」といった話が出てきます。逆に、「クラスで一番点数はよかったけれど、それでも悔しかったと言う子もいるでしょう。本当にいろいろなパターンがあります。
本人の感想を聞いたら「よかったね、嬉しかったね」とか「悔しかったね」と共感します。極端な話、それだけでいいのです。本人が成功だとか失敗だとか思っていることに対して共感を示せば、自然に頑張ろうと思うものです。
無意識な「子へのダメ出し」には要注意
「共感」はとても大切です。
共感しながら話を聞いていれば、子どもはなんでも話してくれるようになります。
小さいうちはみんな、今日あったことや思ったことなどなんでも親に話しますよね。
「今日ね、幼稚園の門のところにブーンって虫が来てね、先生がきゃあって驚いてね、でも僕は全然驚かなくて、ああ、これはカナブンだよって教えてあげたの。そうしたら先生が……」などなど、毎日のように「聞いて聞いて」と一生懸命話をしてくれます。