有配偶率の高い地域では未婚者の幸福度は低くなる

1つ目は、「住んでいる地域の有配偶率が高い場合ほど、結婚の幸福度へのプラスの影響が大きくなる」というものです。

周囲に結婚している人が多いほど、自分も周りと同じように結婚できているとより幸せになるというわけです。

2つ目は、「住んでいる地域の有配偶率が高くなるほど、未婚者の幸福度が低くなる」というものです。

周囲に結婚している人が多いほど、周りと違って結婚していないことが心理的な負担となり、幸福度を下げてしまうということを意味します。

3つ目は、「有配偶率の増加による幸福度の変化を見ると、未婚者の幸福度の低下の効果が相対的に大きい」というものです。

周囲に結婚している人が多いほど、未婚者の幸福度がより低下するため、既婚者と未婚者の幸福度の差が拡大するというわけです。

日本の皆婚社会でも同じ構造が存在した可能性

以上の結果をまとめると、結婚が幸福度に及ぼす影響は、自分の住んでいる場所において、結婚している人が多いのか、それとも少ないのかという点から影響を受けると言えます。

「結婚している人が多い地域の場合、既婚者と未婚者の幸福度の差は大きくなりますが、その背景には未婚者の幸福度の低下がある」というわけです。

この構造は、日本の皆婚社会でもほぼ同じであったのではないかと予想されます。自分の周りが結婚している人で溢れかえっているのであれば、「自分も結婚しなきゃ」となり、結婚できれば安堵する。しかし、もし結婚できないと疎外感を感じるというわけです。