「キャン!」あまりの痛みに声が漏れる

施術室に通されます。そこで下半身だけ脱ぐように指示をされます。当然と言えば当然なのですが、上半身は脱ぎません。当日、寒波が到来しており平野部でも雪が積もるくらい降るという予報が出ており、いつもよりも厚着をしていました。もうすぐ年が明けるっていうのに上半身は4枚も5枚も重ね着して、下半身は何も穿いていない状況が情けない。

施術台に腰掛け、指示通りに脚を開きます。人様の前では着衣の状態でもしたことがない体勢です。

「ブラジリアンワックスってブラジル関係ないんですよ」
「ナポリの人がナポリタン知らないみたいなことですかね」
「台湾にも台湾ラーメンないですもんね」

そんな当たり障りのない会話をしながらも温かいワックスが塗られます。走る緊張。

10分くらいだと思っていた乾燥時間はわずか1分くらいでした。無理。心の準備ができない。一気に剝がされるワックス。

刹那、「キャン!」という小型犬のような声が出てしまいます。

これまでクールに装ってきたのに台無しです。もちろん声を出す予定はなかったのですが、とにかく痛いのです。確かに説明された通り、痛みはほんの一瞬です。でも、痛いもんは痛いのです。

施術してくれるおねえさんから「よかったらこれどうぞ」と抱き枕のようなクッションを手渡されます。強く抱きしめます。いい香りがしました。そこから塗っては剝がすを何度か繰り返し、約30分後(体感は2時間くらいでした)、とうとうVIOの毛がなくなります。

枕を抱きしめる男性
写真=iStock.com/Deagreez
※写真はイメージです

すっきりした下半身は清潔感があって快適

鏡に映った自分。相変わらず上半身は厚着で、下半身は本当の意味で全裸になっています。なんか、下半身ってシンプルなんですね。その後、アフターケアの説明を受け帰宅となりました。

2021年1月末、VIOの毛がない生活を1カ月送ったころ。確かに清潔感があって快適です。お風呂上がりやウォシュレット使用時も快適さを感じます。おそらく夏はもっと快適に感じるのでしょう。一番のメリットはフローリングに縮れた毛が落ちていないことです。部屋に陰毛を発見すると気持ちまで陰になるので、その点では間違いなく脱毛して良かったと言えます。

男性でVIO脱毛をしている人は、日本では圧倒的少数派でしょう。ブラジリアンワックスの痛みや永久脱毛のコストや時間、銭湯に行った時の周囲の目やまだ見ぬ恋人のことを考えながら、さて今後どうしようかなと股間の方向性について悩む日々です。