難治性の患者は姿勢が悪い

そうした難治性の疾患に悩む患者さんには共通点がありました。ご想像の通り、姿勢が悪いのです。

姿勢が悪ければ、体の荷重バランスが崩れて関節や筋肉の機能が低下し、内臓や神経、血管が圧迫されます。その結果、多種多様なトラブルがもたらされるのです。みなさんの中にもふだんから肩こり、首痛、頭痛、眼精疲労、だるさ、腰痛などに悩まされている方が多いことでしょう。また、浅い呼吸、動悸・息切れ、胸の圧迫感、手のしびれ、不眠、冷え、むくみ、血行不良、イライラ、落ち込み、便秘、胃腸の不調などに悩まされている方もいらっしゃるかもしれません。

これらの不調や病気のほとんどすべてに「姿勢が影響している」と言ったら、みなさんどう思われますか? にわかに信じられない方もいるかもしれませんね。

私がこれまでリハビリで診てきた患者さんにも、ねこ背による慢性不調がうつ病につながっていたケースや、ねこ背による内臓圧迫が呼吸器系や循環器系の疾患をもたらしていたケースがたくさんありました。逆に言えば、姿勢さえ改善できれば、ここで挙げたさまざまな症状も改善していけるということです。

大橋しん『魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本』(飛鳥新社)
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姿勢が悪くなるのは、前述のように、心身の緊張が体をかためているからです。それが何十年も続いている状態は、あたかも、体のあちこちを緊張の鎖でがんじがらめにして、カギをかけてしまっているようなもの。頭、背骨、目、口の中、首回り、胸郭、胴体、骨盤、足……あらゆる部位が、ロックされてしまっています。

この「緊張のロック状態」は、努力で解除することはできません。そもそも努力とは、心身をかためる方向性のアプローチ。逆にロックを強固にしてしまうのです。

「努力」や「忍耐」「頑張り」「意志の強さ」は必要ありません。それに、筋トレのようなエクササイズをする必要もありません。むしろ、頑張ることがあなたの姿勢を悪くしている可能性は非常に高いと思います。

まずは頑張るのを、やめてみませんか?

そうすれば、「ふんわり」と「しっかり」が共存し、「美しい」「疲れにくい」「快適」という3条件を兼ね備えた姿勢を手に入れることができます。そして、これから先の人生を、より快適で充実したものへと変えていきましょう!

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